ママ、ぼくウルトラマンになりたい…

16人の子どもたちが、短冊のお願いごとに医者や弁護士になりたいと書かなかった内訳には
Bくんがちゃんと書かないんなら、ぼくも書~かないっ。的な(笑)
真似っ子の流れもありましたが
真似っ子でも この自我がとっても大事なのです。

16人のお母さんたちからの意見(お怒りなのでクレーム)は
16通りの理由(エピソード)があるのですが
最終的に私がお伝えすることはひとつです。

私は、七夕まつりの翌日、ご意見(クレーム)が書かれた連絡帳の返事を簡潔に書いたあと、
放課後、電話をしたり 面談希望のお母さんとは日程を決めたりします。
でもクレームって、そもそもみなさんお怒りなので、その日に面談になることも多いです。

16通りエピソードのうちのひとつをお話しますね。

面談時間になると、怒ったAくんのお母さんがツカツカツカっと会議室まで足早にやってきました。
私はドアをあけてお出迎えをしながら
「〇〇さん こんにちは、連絡帳を拝見いたしました、ご心配おかけして申し訳ございません」と言いました。
保護者のそのお母さんは会議室にセットした机に向かって来られる時、
スリッパのすする音が細かくて早いので興奮している様子が伝わってきました

「七夕で短冊を飾るから、うちはお医者さんって書くよう話していたんです!なのに、なんでですか?」

仲良しのお受験ママ友さんの子(隣のクラス)は、弁護士の先生と書いていて、
うちは恥ずかしかった…と。
塾の先生にも、入試当日の面接では言わないようにキツく言われました、と。

私は、話を聞いていました。
そうですよね、、、
私は恥ずかしいお気持ちにさせてしまったことを
謝罪しました。
そして私も、試験当日は弁護士や医者になりたいです、と言ってもらいたいところです、と伝えると
ハッとした表情をされていました。
(お受験ママさんが、ここを読まれているかもしれないので、受験面接で答えるなら、
お医者さんよりも外科の医師になりたいです、など具体的が良いです。
で、オペをして患者さまの命を救いたい、まで言えたらサイコーですね♪)

はい、お怒りなのはごもっともです。
ですがAくんは私に
「先生、ウルトラマンになりたい…」とお話してくれたんですよ~。
そう伝えるとお母さんは驚いていました。

そんなバカな・・・。

お母さんは、お受験して子どもを将来立派にさせたいのだと言います。
良いところに就職して豊かな人生になってほしいから、と。
そうですよね。
このご時世、犯罪も多い世の中ですし、子どもの幸せを願う親の気持ちは当たり前です。

ただ、Aくんが初めて自分から〇〇になりたいって自分の意見を言えたこと、
これ、すんごい大きな成長なんです。

いつもは、お母さんの言うことをちゃんと聞いて、
どうしたら良いか、全てお母さんが教えてくれるからです。
Aくんは、教えてもらいながら成長してきているので
あながち間違ったことはしない子だったりします。
だけど、私のクラスになって3か月、ようやく自分の意見を言えるようになってきたのです。

子どもってね、大人と違って間違いや失敗をすることが、本来は怖くないの。
転ばないよう、転んだら痛いからねと、大人が転ばぬ先の杖を差し出し
石橋を大人が叩いてあげているからなのです。

子どもは
「失敗って怖いものなんだ」
「間違いって、ダメなんだ」と学びます。
ほんとはダメなんかじゃないのにね。
それなので、怖がりの子どもは特にお母さんが失敗をして見せてあげると良いですよ。
失敗のお手本の方が、自分で考えるので何十倍もこれまた良いんですよね。
子どもの可能性は無限大です☆

さて、話を戻しましょう。

親として、我が子を頭の良い子に育てたい
受験して良い学校へ入れ立派にさせたい
将来、有望になってほしい

七夕に子どもの将来の幸せを願うお母さんも少なくないと思います。
その気持ち、とっても立派です。

また、公立校で、のびのび育って欲しい
人間関係を学んでほしい
この気持ちも、とっても立派です。

どう育てたいかは、ご両親で話合って決めると良いですが
どの子育てにも間違いは、ないのです。

私は母親失格だわ…と思う前に、まず自分の子育てに誇りを持ってみてくださいね。
愛いっぱいの親心をもっていること、立派なお母さんなのです。
ただ、自分が子どもにそうさせたいが為に、子どもの感情をそっちのけで猪突猛進してしまうのは気をつけましょうね。

ウルトラマンになりたいと思うのは、自由♪
こう書くと、だよね~となりますが(笑)
渦中にいると自分って見えにくいものだったりします。
Aくんは気持ちを伝えるのが苦手だったので、表現できたことを誉めてあげると、微笑んで喜んでいました。
子どもは自分が認められたことをエネルギーとして吸収し心が大きく成長します。

例えば、お受験して立派になって欲しいと願うなら、まず子どもの心を育てましょうね。
媚びではない誉める、です。
子どもの心が育てば、受験当日に「ウルトラマンになりたい」など言うわけがないのです(笑)
子どもって賢くて天才です。
だってあなたの子どもだから♡

自分を信じれば、自然と子どもの力も信じられるんです。
イライラしてお子さんについ当たっていませんか?

子どもは、ママ、当たらないでよ、とは言えません。
ママ怒らないで、とは言えません。

それは、ママのことが大好きだからです。

子どもの心とお話し してみてくださいね。

Aくんママは、泣いていました。
その日の夜
“ママ、ぼくウルトラマンになりたい”とAくんがお話してくれたそうです。

桜井 凛花

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