ママ、ぼくウルトラマンになりたい…

すっかり七夕さまは過ぎましたが、今年はどんなお願い事を書きましたか?

幼児教育現場にいた頃、七夕のお願い事を書いて子どもたちは笹に飾ります。

お願いごとって
“ 〇〇になれますように ” と書くのが一般的です。

“ 〇〇になる ” ですと、決心ですし
“ 〇〇が良いです ” だと、希望になので、その語句や意味の違いなど ひとつひとつ子どもたちには説明をします。

私が働いていたところは、都内の地域柄クラスの半数がお受験ママさんでした。
お受験ママさんの子どもの願いごとには
【〇〇になれますように】の〇〇の部分が

おいしゃさん
べんごしさん
かいしゃのしゃちょうさん
パパのかいしゃのしゃちょうさん
パイロット
だいがくのせんせい
しんぶんきしゃ

などです。
こう書かないとクレームになります。
(びっくりでしょ?)

毎年のことなので、私は七夕前になると「今年もクレームがくるんだろうな…」と予測をしていました。
クレームが面倒な先生たちは、前もって書くことを子どもに聞いて
もしも、“ 仮面ライダー ” なんて書こうもんなら書き直しをさせていましたが
私は子どもたちが書きたいように、自由に書かせていました。

女の子だと、アイドルやパティシエ、デザイナーになりたい
男の子は仮面ライダーなど戦闘ものや、サッカー選手、ユウチューバーなんて子も。

ーーーそして、七夕祭りの日。
保護者(お父さんやお母さん)が来園します。
その日は盆踊りなので、みなさん笑顔で写真やビデオに夢中なのですが
帰り際に我が子の短冊をみて

「先生!うちの子、何で〇〇になりたいってこんなことを書かせたんですか!?」

隣のクラスのお受験ママ友さんの子どもは、お医者さんや弁護士さんになれますように
と、ちゃんと書いているのです。

「先生、うちの子もです~」という声や、翌日の連絡帳は
お受験ママさんからのクレームがいっぱいです。
きたきた~

私が放課後、職員室へ戻ると、園長が言いました。
「桜井先生、今年は何人でした?」
「はい、16人でした」
園長「あら~ラッキーなお母さん、今年は16人なのね~」

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